saw 3

leigh and darren

 監督とリー・ワネルトビン・ベルのインタビュー動画。

 この前載せたインタビューを所々(といってもかなり長い)訳しました。興味ある方はどうぞ。
どうしてホラー映画を作ることになったの?ホラーは好きなジャンル?
監督「僕はいやな気分になる映画が好きなんだ。限界に挑むようなものも好き。ホラーは常に限界を挑み続けるジャンルだからね。ホラーは観客に見たことのないようなものを見せる。僕の好きなジャンルだよ。」
リー「僕はホラーファンというより、映画ファンなんだ。でもホラーは中でも特に好きだよ。なぜかは分からないけどね。何でロックが好きかなんて説明できないだろ?それと同じだよ。恐いものは好きだし、それが楽しい。フィルムスクールを出てジェームス(ワン)と映画を作ることになって、僕らは2人ともホラー映画が好きだったから、それを作ることになった。どんな映画が観客に受けるかを調べて作ったわけじゃなくて、ホラーが好きだったから偶然そうなったんだ。」
2人とも恐いものが好きだから観客もこの映画を見てるんだと思う?観客と映画をつなげるものは何だと思う?
監督「人は毎日いろんな感情を体験する。喜びや悲しみ、そしてドラマチックなもの。でも恐怖を感じることはとても少ないと思う。最後に笑った時のことよりも、最後に恐怖を感じた時のことの方が覚えてるものなんだ。観客が忘れられないような感情をひきおこす映画は、記憶にのこる作品なんだ。」
リー「観客は2時間テーマパークで並んで、地上300フィートまでいくジェットコースターに乗るのと同じ気持ちでホラー映画を観にいくんだと思う。人はアドレナリンを感じるのが好きなんだ。絶対安全だって分かっててジェットコースターに乗る。それと同じで、ナイフを持った誰かが・・」
監督「それかノコギリ(SAW)ね。」
リー「そう。ノコギリを持った誰かが家にいるという恐怖を、そんなことは無いと分かってても感じることができる。でもソウを作ってから、ホラー映画を観れない人がたくさんいると知って驚いたよ。僕は小さい時から観ていたから。人生のダークサイドってすごくクールだと思うんだ。ミステリアスで、とにかく惹かれる。恐いものは何でもクールだね、僕にとっては。」
slasher flicksのような映画はいろいろあるけど、最近流行ってると思う映画は何かある?
監督「今はリアルなホラー映画が主流になってると思う。最近成功した映画だと・・」
リー「ホステルとか、ヒルズ・ハヴ・アイズとかね。」
監督「モンスター映画は今はあまりないよ。ウルフクリーク、ホステル、デヴィルズ・リジェクトやソウのような映画は、普通の人間が狂気に走る話。そっちの方が現実味があって恐いんだ。誘拐されてひどいことをされるのは想像できるけど、フレディー・クルーガーが夢にでてきて僕を殺すのは想像できないもの。笑」
最近のホラーリメイクはどう思う?ソウがリメイクされるとしたら、映画のどんなところは変えないで欲しい?
リー「僕は俳優として出たいな。ゴードン先生の役。笑 僕が好きな映画はリメイクのものが多い。でも今のリメイク作品とは全然違うものだよ。オリジナル作品は不気味な白黒で、その何年も後に作られたリメイクは監督によって新しい命がふきこまれたもの。でも今のリメイクは違う。あまり作品名を挙げたくはないけど・・(咳き込む)オーメンがそうだね。新しいことを何もしてない。」
監督「それが問題なんだ。何も新しい主張が無いんだよ、20年前とまったく同じことをしてる。しかもオリジナルの方が良くできてるしね。新しいことをする気がないなら、やるなって言いたいね。もしオリジナル作品が失敗作なら良いけど、ヒッチコックの鳥は・・」
リメイクすることになったの?
監督ナオミ・ワッツがやることになったんだ。オリジナルの方がすごく良いできの作品なら、リメイクして台無しにしてほしくない。でも日本やドイツの監督が自分でリメイクしてアメリカで公開するのは良いと思うよ。観客が増えるしね。」
リー「今のリメイクはクリエイティブじゃない。もちろんビジネスのことも考えなきゃいけないけど、映画は芸術なんだ。芸術性と創造性をもたなきゃいけないよね。」
ソウ3を何回も映倫に提出しなきゃいけなかったらしいね。自分がやりたいアイディアと映倫の意見とのバランスは難しい?
監督「そうだね。リーとアイディアを練っていて、10できたとすると、プロデューサーがダメと言って9になる。でもまだ9あるぞ!って思うけど、予算が足りなくて8になる。それでも8だ!ってなっても時間がなくて7になる。それで委員会に見せにいくと・・」
リー「よし、3になったぞ!」
監督「ってなるんだよね。でも音響とかで8に戻るけどね。委員会に監督として直接話したんだ、なぜ残酷なシーンが作中で必要かってことをね。重要なシーンだから消せないって言ったんだ、メッセージを伝えるものだからって。委員会はこっちにちゃんとした意見があればそれなりに対処してくれるよ。でもこれは言いたいね。恐くて、暴力的で、不快なホラー映画だって言ってるのに、委員会は”恐すぎる、暴力的すぎる、不快すぎる”って言う。僕達はやると言ったことをやったまでだ。これはソウ3。前作はOh yes,there will be blood.で、今回はSuffering:you haven't seen anything yet.って言ってる。クレイマー・クレイマーだよと言って観客をだまして、観てみたら血まみれの映画だったなんてことはあり得ない。もしどんな映画か知らないでこの映画を観たなら、それはその人のせい。予告は暴力シーンばっかりだろ?騙そうとしてるわけじゃないんだ。」
ジグソウは、死の治療法は不死だと言ってるね。ソウのどんな部分がこれからもずっと生き続けると思う?
監督「20年30年とずっと伝えられていくといいね。」
リー「今までのソウ3作品は、他の人に手放せないような作品なんだ。これから続編を作るとしたら、どれだけ僕が携わることになるかは分からないけど、この3部作はまるで1本の映画みたいで本当に好きなんだ。将来、エルム街の悪夢みたいな作品とともに記憶にずっと残る映画であってほしい。どんなカテゴリーでも映画を作る人は、自分の作品がずっと残ることを望むもの。」
監督「ソウで誇りに思ってるのは、記憶に残るシーンがあるということ。1作目のアゴのトラップとか、ブタのシーン。20年後にホラー映画のシーンベスト100なんかに入っていてほしいな。」
リー「まだジョーズのオープニングシーンの話をする人がいる。そんなふうに人々の記憶に残ったら本当に嬉しい。」
NC−17(R−18?)ヴァージョンとR指定のとではどう違うの?
監督「オリジナルカットは公開バージョンとはかなり違うよ。でもMPAAのとはあまり変わってないかな。オリジナルは3時間くらいある暴力の叙事詩のようだったよ笑。アイディアがとにかくいっぱいあったから、全部を入れたかった。でも短い方が良いってこともあるしね。」
リー「3時間もあったのは、血だらけだったからじゃなくて、ダレンがふざけて撮ったのがいっぱい入ってたからさ!あの人形の格好をした人がシンクロしてるミュージカルとか、全く必要ないのが多かったんだ!彼のエゴが爆発してた。セットでは自分をコッポラと呼べって言ってたんだぜ笑。」
ブタがダンスしてるシーンもあったの?
監督「そうそう。アニメーションでね笑。」
リー「ディレクターカット版はどんだけ長いの?3時間?」
監督「いや〜2時間半くらいかな。」